先日外出先のセブンイレブンで、昼飯代わりに「干し芋」を買いました。その店舗では2種類の干し芋が置いてあり、一見同じようなものだったので、どちらにしようか迷いました。
後日もう一度食べたいと思い近所のセブンイレブンに行きました。しかし最寄りの3店舗回りましたが、いずれも置いてませんでした。「そんなにレアな物だったの?」と思い、少し遠めの入ったことのない店舗に行ったところ、手に入れることができました。
そこで、自分の最寄りセブンイレブンの範囲を広げて、この2種類の干し芋の取り扱い状況をリサーチしました。
- 2種類の干し芋、どこがどう違うのか?
- 取り扱いのある店舗はどのくらいあるのか?
2種類の干し芋、それぞれの特徴と比較
パッケージ比較
比較するのは
- 「角切りタイプのほしいも」
- 「焼き干しいも」
おおよそ容量やカットの大きさ、また両方とも細切りの角形スティックタイプ。
似たような商品と言えると思います。並んで売られていたらどっちを買おうか、一瞬迷う人も多いのではないでしょうか。
角切りタイプのほしいも | 焼き干しいも |
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「角切りタイプのほしいも」
セブンイレブンのプライベートブランド「セブンプレミアム」の商品。「Dried Sweet Potato」と表記があります。「Dried Potato」に「Sweet」を付け加えているだけに、スイートポテトがコンセプトであろうと推測します。
セブンプレミアムはセブン&アイグループでのみ購入可能のようです。(セブンイレブン、イトーヨーカドー、西武そごう等)
製造元
「加工者」が記載されており、「株式会社幸田商店」。1948年創業の老舗で、干し芋を主力とした食品製造・加工業の会社さんのようです。
会社のある茨城県ひたちなか市は、全国の90%の干し芋生産エリアとのこと。その道の匠が製造されているようですね。
※以下「角切りタイプのほしいも」=「角切り〜」と略
「焼き干しいも」
「角切りタイプのほしいも」との大きな違いは、焼いているかどうか。「焼き干しいも」は、一度干し芋にした状態から遠赤外線で焼きの工程を加えているとのこと。焼き芋をコンセプトにしているようです。
こちらは一般に多種の販売ルートがあるようで、Amazon・楽天や、ミニストップでも購入可能。
2020年の「モンドセレクション銅賞受賞」のシールが貼ってあります。この「モンドセレクション」、聞いたことはありますがどういう賞なのかわからなかったのでざっと調べました。
- 日本では広く知られているが、国際的な知名度はない
- 90%以上が銅賞以上を受賞(2017年)
- 絶対評価制のため受賞数に制限がなく、受賞商品が数多く存在する
要するに特別に優れた商品というものではなく、一定の品質が保たれているという証のようです。
製造元
「輸入者」のみの記載になっています。「丸成商事株式会社」。1959年創業、こちらも老舗。東京都練馬区にある会社。天津甘栗、お茶、ドライフルーツなどの輸入販売業をされてるようです。
※以下「焼き干しいも」=「焼き〜」と略
スペック比較
角切りタイプのほしいも | 焼き干しいも |
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栄養成分や価格などを比較していきます。
栄養成分
角切り〜 | 焼き〜 | |
エネルギー | 303 kcal | 311kcal |
たんぱく質 | 3.1g | 5.5g |
脂質 | 0.6g | 0.2g |
炭水化物 | 71.9g | 72.9g |
(糖質) | 66.0g | 68.3g |
(食物繊維) | 5.9g | 4.6g |
食塩相当量 | 0.05g | 0.2g |
「角切り〜」は食物繊維に優れており、「焼き〜」はたんぱく質に優れています。
脂質と塩分量が後述の味に影響しているのかもしれません。数字を総合的に見ると、「焼き〜」の方がややヘルシーと言えるのかと思います。
商品情報
角切り〜 | 焼き〜 | |
賞味期限 | 22.11.30 | 23.4.10 |
〃 | 3ヶ月ほど | 7ヶ月ほど |
原材料名 | さつまいも | さつまいも |
原産国名 | 中国 | 中国 |
※購入日:22.9.3
「焼き〜」の方が圧倒的に賞味期限が長いです。「消費期限」ではないのであまり気にすることはないと思いますが、ある程度の期間の非常食用としても安心して使えそうです。
産地は中国。参考に、幸田商店の国産のさつまいもを使用した干し芋の価格は、100gあたり¥400前後でした。後述のコスパ比較表と比べても、中国産は安価です。
コスパ
角切り〜 | 焼き〜 | |
価格(税込) | ¥365 | ¥362 |
100gあたり | ¥203 | ¥165 |
内容量 | 180g | 220g |
内容量実測 | 180g | 222g |
本数 | 20本 | 17本 |
値段はほぼ変わりませんが、実はグラムあたりの量にけっこうな差があります。
「焼き〜」の方がリーズナブルです。内容量の実測も計測しましたがほぼピタリでした。
長さはどちらも10〜16センチくらいでしょうか。「焼き〜」方が気持ちおおぶりカットです。1本あたり太く長い印象です。「焼き〜」の方が量が多く本数が少ないことからも予想できます。(大きさや本数のバラつきは個体差が当然ありますが)
ちなみに他の方の記事で、22年の5月付けの価格が、
- 「角切り」/ ¥321
- 「焼き〜」/ ¥333
とありました。いずれも値上げがされたようです。
実食比較
「焼き〜」は焼きの名の通り、少し焦げたような色味をしています。
匂い
角切り〜 | 外袋に直入れ。開けた瞬間ふわーっと匂う。 甘〜い、いわゆる芋の甘みが凝縮された匂い。 | |
焼き〜 | 中に包装用のビニールあり。 焼き(スモーク)の匂いが強い。甘い匂いは感じない。 |
横に切るタイプの包装を開けると「角切り〜」は開けた瞬間甘〜い香りがします。「焼き〜」包装用の中にもう一枚包装されているので、開けた瞬間はそれほど香りはしません。
ちなみに干し芋は包装にくっつくので、中身にもう一枚包装があるのは取り出しやすかったです。
また、なかなかに量があるので、多くの人は一気に全部食べるわけではないと思います。、ジッパー付きの袋だと必要ぶんだけ取り出せて嬉しいなと思いました。
甘さ
角切り〜 | 強い甘み。砂糖のような、いわゆるスイーツ的な甘み。 外側の焼き面が一番甘い。 | |
焼き〜 | 奥底にある米飯のような甘み。甘さ控えめの印象。 |
成分比較で「焼き〜」の方が脂質が少なく塩分量が多いことがわかりましたが、この差が味わった時の印象に表れていると思います。
食感
角切り〜 | しっとりめで柔らかいものと、パサパサめで硬いものとの個体差がある。 果物が完熟したような、ゼリー状の個体も混じっている。 | |
焼き〜 | 硬くも柔らかくもない、程よい硬さ。 グミのような、しっとりとねっちりとした噛み応えがある。 |
いわゆる多くの人が想像するであろう干し芋は「角切り〜」の方が近いと思います。個体差があり自家製感漂うザクザク感があります。
「焼き〜」の方は比較的ツルッとしていて食感の個体差はあまりないです。噛み応えは上品。
温めると…
レンジで温めた後に食べてみました。
角切り〜 | 柔らかくなりねっとり感が増す。 甘さが増し、甘い匂いは強烈に増す。 | |
焼き〜 | 柔らかくなりねっとり感が増す。 スモークの風味が増す。甘みはそれほど増さない。 |
甘さとスモーク感では、甘さの方がインパクトが強いからでしょうか?変化で言えば「角切り〜」の方が振り幅が大きいです。
実食トータル
パッケージから読み取れたとおり、両者のコンセプトが「角切り〜」がスイートポテトに対し、「焼き〜」は焼き芋、というのがしっかり感じ取れたと思いました。
食べ物のカテゴリーとして、「角切り〜」はスイーツ寄りのおやつ、「焼き〜」は食事寄りの食料という位置付けになるかと思います。
売っている店舗
冒頭に記述しましたが、この2つの商品は近所のセブンイレブン3店舗回り、全て取り扱いがありませんでした。
「ひょっとして滅多に入手出来ないのかな?」という疑念を解消すべく、最寄りから少し範囲を広げてセブンイレブンを手当たり次第回りました。
個人的な限られたエリアのみの統計ですがご参考まで
置いている店舗の割合は?
回った店舗数は36。
両方あった | 角切り〜のみあった | 焼き〜のみあった | 取り扱いなし | |
− | ||||
店舗数 | 8 | 11 | 12 | 5 |
割合(%) | 22 | 30 | 33 | 14 |
どちらかがある確率は86%でした。どうやら自分の最寄りの店舗だけ運悪く取り扱いがなく、普通はどこにでも置いてあるようです。
行くコンビニは決まっている、という人は多いと思いますが、もし行きつけのコンビニになければ、普段足を運ばない店舗に行けば置いてあったりするかもしれません。
両方取り扱う店舗は5件に1件ほど。6/8の店舗が2商品を並べて陳列していました。セブンイレブンで取り扱いのある干し芋が2商品あることに気づかないままのケースもあるでしょう。
陳列されているコーナーは?
店舗内を探しているときに、この商品が何のカテゴリーに属するのか疑問に思いました。お菓子なのか?おつまみなのか?フルーツなのか?
結果、陳列の傾向はおおよそ3箇所。
- 黒いラック
- パンコーナー
- 菓子コーナー
冷蔵食品の前等に配置されている、床から30〜40cmほどの高さの黒いラック。
よくバナナや生野菜、レンジでチンするタイプの真空パックに入った惣菜などと一緒に置かれています。
特に菓子パンコーナーの端っこか、ジャムや蜂蜜などパンのお供的な食品に並んでいます。
パンの延長線上の扱い。
2〜3人用サイズの和菓子&洋菓子コーナー。
あんドーナツ、チョコスナック、カステラ、クッキー、等のバラエティパックの菓子と一緒に陳列。
コンビニの陳列はコロコロ変わるし、店舗規模などスペースの都合にもよると思うので、レイアウトはある程度店主の判断に委ねられていると思います。
しかし傾向を知っていればアクセスは早いと思います。
まとめ
一見どちらも変わらないような商品に見えて、特徴を掴むことができました。
角切りタイプのほしいも | ●甘みのあるデザート感、スイートポテト寄り ●多くの人がイメージするような風味 ●製造メーカーが老舗 | |
焼き干しいも | ●食事代わりのような食料感、焼き芋寄り ●比較的甘さひかえめの風味 ●コスパがいいのはこちら |
住み分けとしては、おやつには「角切りタイプのほしいも」、ご飯代わりには「焼き干しいも」といったイメージでしょうか。これで目的によって選びやすくなったのではないでしょうか。
少し毛色の違う2品を多少なりとも違いがわかることで、「どちらにしようかな?」と迷った時の参考になれば幸いです。