After Effectsの作業中、今立ち上げている状態をすぐにバックアップして、別のファイルで作業を進めたい時が度々あります。
その時の保存の項目で「別名で保存」があるのですが、その先の「別名で保存」と「コピーを保存」の違いを知らないままずっと使って来ました。
何が違うのか?をはっきりさせたいと思います。
「別名を保存」と「コピーを保存」は何が違うの?
結論、両方ともバックアップを取る機能ですが、バックアップのとり方が違います。バックアップ後に進めていくファイルが違うとでも言いましょうか。
うだうだと言葉で言われてもよくわからないと思うので、結論から先に図解です。
- 今作業中のファイルとは別のファイルで作業を再開したい時 = 「別名で保存」
- 今作業中のファイルでそのまま作業続行したい時 = 「コピーを保存」
別名で保存
「別名で保存」を選択すると、
- ダイアログが立ち上がり、複製の保存先と名前を指定します。
- 今作業中のファイルはすぐに自動保存された後、閉じます。
- 複製されたファイルが作業中と同じ状態のまま、自動で立ち上がります。
- 立ち上がっているのは複製されたファイルです。
ショートカットは、
- Command + Shift + S(Mac)
- Ctrl + Shift + S (Windows)
コピーを保存
「コピーを保存」を選択すると、
- ダイアログが立ち上がり、複製の保存先と名前を指定します。
- 今作業中のファイルは保存されず、変更なし。
- 作業中と同じ状態の複製ファイルが新規作成されます。
- 立ち上がっているのは元々のファイルです。
ショートカットは指定されてないようです。
他のソフトでは、同様の機能はどういう名称か?
自分のうろ覚えでは「コピーを保存」なのか?「複製を保存」なのか? 超曖昧に記憶していました。これは他のソフトでの同様の機能が、別の言い方をするのに由来して、混合しているのだと思います。
Adobeの他のソフトではどうでしょうか?またMacOSのデフォルトのソフトでは?
映像制作に関係のある主要なソフトに関して調べました。
Adobeの他のソフト
Premiere
「別名を保存」と「コピーを保存」
Photoshop
「別名を保存」と「コピーを保存」
Illustrator
「別名を保存」と「複製を保存」
なぜかこれだけ「コピー」が「複製」に。機能は「コピーを保存」と同じです。
この辺はAdobeで統一してあると嬉しいですね。
私は元々「複製を保存」という名称として覚えていました。私が一番最初に覚えたパソコンソフトはIllustratorです。Illustratorのこの名称が大昔のバージョンから変わってなければこれに引っ張られたのだと思います。
過去のAfter Effectsのバージョン
After Effects CC(CCの初代バージョン)は、「別名を保存」と「コピーを保存」でした。
MacOSの標準ソフト
MacOSに標準で入ってるソフトの場合はどうでしょう?
- テキストエディット
- プレビュー
- QuickTime
- iWork (Numbers、Keynote、Pages)
MacOSの場合、複製を作成する順序の概念が少し違います。
項目は「複製」。選択すると、一度仮の複製ファイルが立ち上がります。そのファイルを保存するかどうか?を後から決める、という手順で複製します。
全てのソフトが同じ機能でした。この辺は統一感があって使いやすいと思います。
ただし保存しない場合、「コピーを削除」という名前で削除します。これは文言を統一して「’複製’を削除」の方がユーザーが迷わないかなと思います。
Microsoft の Office
仕事でよく使うOfficeはどうでしょう?
- Excel
- Word
- PowerPoint
Officeは、「名前をつけて保存」という項目がAdobeの「複製を保存」に該当します。Adobeの「コピーを保存」に当たる機能はありません。
代わりに「テンプレートとして保存」という項目があります。これは、先にテンプレートを作成し、それをフォーマットとして内容を書き加える作業に適しています。
経理書類など毎月決まったフォーマットで出力する書類の元ファイルを作成する時に使用します。拡張子は「xltx」。
名前から予想ができない機能について
ドロップダウンメニューのその操作が「どんな動作を指しているのかわからない」というのはパソコンの操作、ソフトの操作での’あるある’。直感で適当に操作して合ってる場合もあるのですが、あれ?全然違う、という場合も少なからず。
Adobeソフトを20年以上使っていますが、肌感覚で覚えて適当に使っている機能は多々あります。仕事で特に差し支えないのでそのままスルーしてますが、実は使えると便利な機能を使っておらず、結構もったいないことをしてると思います。
今からでも曖昧なものは少しずつでも解消できたらいいな、と思ってます。
まとめ
今まで即時にバックアップを取りたい時は、保存し一旦閉じて、Finderの機能で複製を作成し、そのファイルから立ち上げて作業していました。
- After Effectsの「別名を保存」と「コピーを保存」は、複製後に進めるファイルが違う
- Adobe、Apple(MacOS標準ソフト)、Microsoft(Office)によって複製の概念が違う
仕事では特に確実性がある方法を選択するのがベターだと思うので、それはそれで正しい方法ではあったと思います。しかし両方の機能がはっきりわかったので、せっかくなので活かして積極的に使っていきたいですね。